【暗号資産(仮想通貨)とは?】分散型科学(DeSci)の理解に必要な知識(3)
本記事の内容・暗号資産とは?
・暗号資産の歴史
・暗号資産の利用で注意すること
こんにちは.
元研究者のフールです.
「分散型科学(DeSci)の理解に必要な知識」というテーマで前々回からキーワードのまとめ記事を書いています.
前回のブロックチェーンの記事はコチラをご覧ください.
本記事では,暗号資産についてまとめていきますね!
web3では,取引で「暗号資産」が必要です.
でも,そもそも暗号資産とは何なのか?
ニュースやSNSなどでは聞いたことはあるけれど,ちゃんと説明はできない…
こういう人は多い気がします.
価格の暴落や詐欺被害なども多いので「怪しい」ものと思っている人もいるでしょう.
この記事で,暗号資産とは何かを学んでいきましょう!
なお,分散型科学(DeSci)の概要&キーワードを簡単にまとめた記事もありますので,お時間のある時に合わせてご覧ください.
暗号資産とは?
暗号資産とは,ブロックチェーン技術を基盤としたデジタル資産です.
暗号技術によって安全性を確保された資産の総称で「暗号資産」ですね!
ちょっと前までは「仮想通貨」とも呼んでいました.
ただ,NFTやガバナンストークンなど,その用途は「通貨(支払い)」だけにとどまらないので,現在では「暗号資産」が法律上も正式採用されています.
ブロックチェーンを使っているので…
- 中央の管理者(銀行など)が不在
- 取引の安全性や透明性を保証
重要なのは「管理する人が不在」という点ですね!
土日祝や時間外に銀行が使えなくて困った経験をした人は少なくないですよね.
銀行のような中央管理者が不在ということは,休みがないってことですよ!
24時間365日,取引が可能なんです.
さらに,取引データは誰でも確認できるし,その変更も難しいから不正行為や改ざんも起こりにくい!
暗号資産の歴史
次に暗号資産の歴史を勉強していきましょう!
暗号資産の始まりは Satoshi Nakamoto が発表した論文*です.
これをベースに開発・プログラムされた最初の暗号資産が「ビットコイン」ですよ!
*NAKAMOTO, Satoshi. Bitcoin: A peer-to-peer electronic cash system. 2008.
最初の暗号資産「ビットコイン」の目的
一番最初の暗号資産「ビットコイン」が作られた目的は,中央集権的な金融システムの課題を克服し,人々に自由で公平な経済の選択肢を提供することです.
Web2の金融システムは,銀行や政府などの中央集権的な機関に依存していますね.
これにより次のような問題が指摘されています.
- 信頼の必要性:銀行や決済プロバイダーへの信頼が必要
- 手数料の負担:第三者を介するために高い手数料が発生
- 金融の不平等:金融システムにアクセスできない人々の存在
- 権力の集中:中央機関が取引を検閲したり,資産を凍結する恐れ
ビットコインはこれらの課題を克服しています!
- トラストレス:中央機関を信頼する必要なし
- 低コストの送金:中央機関を介さないので手数料↓
- 金融包摂:銀行口座がない人でも経済活動に参加可能
- 分散化:一つの機関(誰か一人)が支配しないシステム
スマートコントラクトで決済以外の用途に対応
暗号資産を決済(支払い)以外の用途に対応したのがイーサリアムです!
ビットコインは「デジタル通貨」として設計されました.
一方,イーサリアムは「ブロックチェーンを使った分散型アプリケーション(DApps)を構築する基盤」として設計されています.
そして,DAppsを可能にした技術が「スマートコントラクト」です
イーサリアムは,「スマートコントラクト」とその独自通貨「イーサ(ETH)」を活用して,様々なweb3.0プロジェクトが展開していきました!
デジタルアート・音楽などをデジタル資産とするNFTや商品の生産から消費までの流れを追跡するサプライチェーン管理など,イーサリアムはとても重要な役割を果たしています!
ただ,イーサリアムにはデメリットがあって,手数料が高く取引に時間もかかります.
そこで,「イーサリアムキラー」と呼ばれる新しい暗号資産が誕生し始めました!
イーサリアムの弱点を補う暗号資産「イーサリアムキラー」
「イーサリアムキラー」は,イーサリアムのデメリットだった手数料の高さ&処理速度を解決しています!
例えば,ソラナ(Solana)という暗号資産は処理速度が速い&手数料も安価なので人気ですね!
でも,ネットワークがダウンして通信障害が出たことが何度かあって…
全てにおいて,イーサリアムよりも優れているとは言えないのが現状ですね!
他にも,アバランチ(Avalanche)やカルダノ(Cardano)等々,イーサリアムの弱点を補う色んな暗号資産が誕生してますよ!
ただ,セキュリティ面ではイーサリアムほど成熟していないので,やっぱり,イーサリアムが人気なのは変わらないですね~
暗号資産の利用で注意すること
最後に,暗号資産の利用で注意して欲しいことをまとめますね!
全部で5つあります.
- 価格変動に注意
- 誤送金に注意
- 詐欺に注意
- 法規制の変化に注意
- 個人情報の紐づけに注意
価格変動に注意
暗号資産はボラティリティが大きい(価格変動が大きい)ので,短期間で価格が大きく変動すします!
売買のタイミングによって大儲けする場合もあれば,大損することもあります.
だから,暗号資産の売買は必ず余剰資金でやってください!
誤送金に注意
ブロックチェーン上の取引は取り消しができません.
だから,誤送金(送金ミス)をすると取り戻すことは難しいです!
- 送金前にアドレス(銀行での口座番号に相当)の確認を怠らない
- アドレスの入力はコピー&ペーストで行う
この2点が非常に重要ですね!アドレスに関しては,ウォレットで説明する予定です!
詐欺に注意
詐欺プロジェクトやフィッシングサイトが横行しています.
これはブロックチェーン技術の問題ではありません!
ブロックチェーン自体は安全でも,暗号資産を管理・運用するユーザーのリテラシー不足が原因で騙されてしまうのです.
だから,暗号資産に関する知識を増やし,詐欺やハッキングの手口を知りましょう!
また,自分の資産を守るのは自分自身であると理解しましょう!
中央機関(責任を負う者)が存在しないので,銀行のような「補償」はありませんよ.
金融庁からも暗号資産に対する注意喚起が出ているので,一度ご覧になってください!
法規制の変化に注意
各国の規制や法律が変更されると,暗号資産の取引や所有に影響を及ぼす可能性があります.
合法的に運用することが大切ですので,各国の法規制の動向を把握しましょう!
日本の場合は,金融庁の「暗号資産関係」のページが参考になると思います.
個人情報の紐づけに注意
各アカウント(アドレス)の取引履歴はブロックチェーン上で公開されます.
でも,「そのアドレスの所有者は誰か?」は公開されません!
アカウントの取引内容は追跡できても,「誰がその取引をしてる?」は分からないです.
ただし,SNS等で不用意に自分のアドレスを公開すると…
アドレスと個人情報が紐づけられちゃうので注意してくださいね!
参考資料の紹介
デジタルテクノロジー図鑑-単行本(ソフトカバー)
デジタルテクノロジー図鑑-Kindle版
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