ウェスタンブロットにかかる費用【実験にはお金がかかる】②

ウェスタンブロットにかかる費用【実験にはお金がかかる】②

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こんにちは.

博士号を取得後,派遣社員として基礎研究に従事しているフールです.

私には,自分だけの研究施設を持つという夢があります.

ラボヘッドになるとか,企業のプロジェクトリーダーになるという意味ではありません!

純粋に好奇心を追求できる,趣味で研究を展開できる,そんな「自分だけの研究施設」を作りたいんです.

そのためには,いくらぐらい必要なのでしょうか?

やはり実現するためには,具体的な数値目標が必要だと思うのです.

前回より「自分だけの研究施設」を創る第1歩として,日々の実験業務にかかる費用を考えてみることにしました!

本記事では,1回のウェスタンブロットにかかる費用を計算*してみました

あなたは,ウェスタンブロット1回で,どのくらいお金が掛かっていると思いますか?

*ココで使用している数値は,定価・希望小売価格・オープン価格・参考小売価格のどれかです.私の職場が実際に支払っている価格ではありません.

サマリー・約9,200円が,ウェスタンブロット1回のお値段です.
・ストリッピング処理がある場合,約10,500円になります.

ウェスタンブロットのプロトコール

私が行っているウェスタンブロットのプロトコールは,以下通りです.

  • サンプルにRIPAバッファー加える
  • ライセートをチューブに回収する
  • 4℃でローテーションしながら,溶解を念入りに行う(30-60分くらい)
  • 10000 ×g,4℃,10 minで遠心する
  • 上清を回収する
  • 上清とサンプルバッファーを混ぜる
  • 95℃で5分間の加熱処理後,急冷する
  • 電気泳動セットをセッティングし,泳動する
  • 泳動終了後,PVDFメンブレンに転写する
  • 転写終了後,メンブレンをTBS-Tで洗浄する
  • 室温で1時間のブロッキングを行う
  • 1次抗体と反応させる
  • メンブレンをTBS-Tで洗浄する
  • 2次抗体と反応させる
  • メンブレンをTBS-Tで洗浄する
  • 発光試薬と反応させて,撮影する

ストリッピング処理がある場合

ストリッピング処理する時は,さらに以下の作業を追加します.

  • メンブレンをTBS-Tで洗浄する
  • Stripping bufferと反応させる
  • メンブレンをTBS-Tで洗浄する
  • 室温で1時間のブロッキングを行う
  • 1次抗体と反応させる
  • メンブレンをTBS-Tで洗浄する
  • 2次抗体と反応させる
  • メンブレンをTBS-Tで洗浄する
  • 発光試薬と反応させて,撮影する
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ウェスタンブロット1回にかかる費用

上記プロトコールで,私が使用する材料とその費用*は以下の通りです.

材料など 販売価格(¥) 1回あたりの費用(¥)
RIPAバッファー 24,700 118.56
蒸留水 62 13.39
プロテアーゼインヒビター 21,500 412.8
BSA 96,200 962
サンプルバッファー 8,500 54.4
DTT 33,400 3.96
TBS-T 21,600 648
ゲル 37,800 1,890
PVDFメンブレンセット 23,600 2,360
サイズマーカー 19,600 117.6
発光試薬 30,470 564.3
小計 317,432 7,145.01
チップ・ピペット類 46,300 919.29
パラフィルム 3,300 22.68
1.5 mL チューブ 4,200 201.6
小計 53,800 1143.57
合計 371,232 8,288.58
合計(税込) 408,355.2 9,117.43

1回のウェスタンブロットのお値段は,約9,200円ということが分かりました!

*ゲル1枚で16サンプルを泳動できるので,16サンプル分で計算しています.また,抗体の購入費用は,考慮していません.

ストリッピング処理がある場合の費用

ストリッピング処理がある場合の費用*は,以下の通りです.

材料など 販売価格(¥) 1回あたりの費用(¥)
RIPAバッファー 24,700 118.56
蒸留水 62 13.39
プロテアーゼインヒビター 21,500 412.8
BSA 96,200 962
サンプルバッファー 8,500 54.4
DTT 33,400 3.96
TBS-T 21,600 1,296
ゲル 37,800 1,890
PVDFメンブレンセット 23,600 2,360
サイズマーカー 19,600 117.6
発光試薬 30,470 1,128.6
ストリッピングバッファー 32,900 66
小計 350,332 8,357.31
チップ・ピペット類 46,300 919.29
パラフィルム 3,300 51.02
1.5 mL チューブ 4,200 201.6
小計 53,800 1,171.91
合計 404,132 9,529.22
合計(税込) 444,545.2 10,482.14

1回のウェスタンブロット(ストリッピング処理あり)のお値段は,約10,500円ということが分かりました!

*先ほど同様に,16サンプル分で計算しています.また,抗体の購入費用も考慮していません.

ウェスタンブロットにかかる費用【1か月分】

ウェスタンブロットにかかる費用を1か月あたりに換算します.

現在の私の場合,1週間で2回のウェスタンブロット(ストリッピング処理あり)を行っていますので,その条件で考えることにします.

単純計算で,10,482.14 × 2 × 4* ≒ 83,900円

*1か月を4週間としています.

1か月間で約80,000円以上も,ウェスタンブロットにかかっていることになりますね!

毎月返済している奨学金よりも多い(笑).

考慮すべきその他の費用

ウェスタンブロットにかかる費用を計算してきました.

ただ,材料だけそろえても実験はできません.

実験装置を整える必要があります.

今回の計算には,ピペッター・遠心機・ドラフトチャンバー・泳動装置・撮影装置などの機器類の費用を考慮していません

除外した理由は,1回分という計算はできないからです.

1度そろえれば,しばらくは使える物なので,初期費用という計算になるでしょうか?

これに関しては,また別の記事で触れたいと思います.

ウェスタンブロット1回にかかる費用【まとめ】

実験にかかる費用として,ウェスタンブロット1回にかかる費用を計算してみました.

いかがでしたでしょうか?

私は驚きました!

奨学金の返済だけでも四苦八苦している私が,それよりも多い額で実験業務をしているとは考えもしなかったので.

もちろん,Ready to use製品を惜しみなく使っているという背景もあるので,学生の頃のように,ゲル作製やメンブレン調整をするところから始めれば,費用は抑えることができるでしょうね!

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最後までお付き合いいただきありがとうございました.

次回もよろしくお願いいたします.

2020年7月23日 フール

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