私は,博士号を取得後,研究職派遣を主な事業としている派遣会社に登録し,有期雇用型の派遣社員として,某製造業の企業にて基礎研究に従事していました.
その時の経験を踏まえて,弊ブログでは研究職の派遣社員の実態についての情報発信も行っており,これまでもいくつか記事で派遣社員の給与について触れてきました.
本記事では昨年に引き続き,派遣社員の研究員の賃金と労働時間について,私の2020年度のデータをご紹介します!
これが博士課程に在籍する大学院生や自分のキャリアに迷っている研究職従事者の参考になれば幸いです.
なお,私が派遣社員として働くようになった背景に関しては,プロフィールに詳しく書いております.
年収と総労働時間の概要
ココでは,残業代を含めたおよその金額ではありますが,私の年収をお示します.
2020年度の私の年収は,約340万円*でした.
1年間の労働日数は240日で,労働時間は約1932時間**でした.
私の時給は,昨年同様に1700円台前半になります.
*非常事態宣言中は出社できませんでしたが,補償対象ということで通常通りに相当する額が賃金として支払われました.その分も加算しています.
**非常事態宣言中は出社できませんでしたが,上記の通り賃金が支払われました.よって,労働時間もその分を加算しています.
2019年度との比較
年収,労働日数,労働時間を2019年度のそれらと比較してみました.
2020年度 | 2019年度 | |
総労働時間(hr) | 1932 | 1874 |
労働日数(日) | 240 | 236 |
年収(万円) | 340 | 320 |
労働日数が4日増え,総労働時間は約60時間も増えました.
1日の労働時間は8時間なので,単純計算では残業が28時間の増えたことになりますね.
年収も上がりました.
残業が増えたことおよび同一労働同一賃金で時給が上がったことが要因でしょう.
月収に換算した場合
1か月あたりに換算すると以下の通りになります.
① 月収:約28.5万円
② 月労働日数:約20日
③ 月労働時間:約161時間
厚生労働省が発表した「令和元年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」によると,派遣労働者の賃金(8時間換算の平均)は1万5,234円です.
1か月の労働日数を20日とすると,月収は30万4680円(年収換算では365万6,160円)です.
あくまでも平均値の比較ですが,やっぱり私の賃金はこの平均よりは少ないですね(笑).
手取り額は?
それでは,手取り額についてはどうでしょうか?
所得税および社会保険料を差し引いた総支給額は,約290万円でした.
よって,手取り率は84.6%になります.
1年間の支出の概要
私は,この290万円を何に使ったのでしょうか?
昨年同様に30代独身男性の収支データを1年分にまとめました!
食費と奨学金の返済だけで,支出の半分近くを占めています(笑).
やっぱり貯金はできていません.
繰り返しますが,これが奨学金の恐ろしさです…
奨学金を使って進学すると決めたのは私なので,仕方ないんですけど.
ちなみに奨学金については,色々と書きたいこともあったので,別記事でまとめました.
学歴別や産業別との比較
厚生労働省が「令和2年賃金構造基本統計調査」の結果を発表していました.
学歴の項目が「大学・大学院」から「大学」と「大学院」に細分化されていたので,私の賃金と比較してみました.
男性・30~34歳・大学院修了者の賃金(月収)は33万7,800円でした.
事業所の規模や通勤手当などの有無を考慮していませんので単純比較は危険ですが,それでも平均との差は大きいですね.
同調査では産業別の賃金も公開されていました.
現在の派遣先は製造業なので,その賃金と比較すると…
男性・30~34歳・製造業の賃金(月収)は26万7,900円でした.
こちらも事業所の規模や通勤手当などの有無を考慮していません.
単純比較は危険ですが,同業者でみると,私は比較的多めの賃金を頂いていることが分かりました.
ただ,正社員は賞与があるので,年収では差が認められると思います.
以上,派遣社員の研究員の労働時間と賃金【2020年度版】でした.
最後までお付き合いいただきありがとうございました.
次回もよろしくお願いいたします.
2021年5月5日 フール