
プレゼンでExcelのデフォルトのグラフをそのまま使ったら,先生に怒られた.なんで?
本記事は,このような「なぜ?どうして?」にお答えします.

こんにちは.
博士号を取得後,派遣社員として基礎研究に従事しているフールです.
皆さんは,論文やプレゼンに使用するグラフを書く時に,どんな工夫をしていますか?
何も工夫せず,Excelのデフォルトグラフをそのまま使ったりしていませんか?

先日,正社員研究職(博士号ホルダー)にもかかわらず,Excelのデフォルトグラフをそのまま使っている人に出会いました(笑).
それで良いと思ったのか,それとも会社内部のプレゼンだから手を抜いたのか,どちらかは分かりません.
でも,私は唖然としました.

これで正社員か,それでも博士号ホルダーかと(笑).
でも,とても良いネタを頂いたので,ブログでまとめることにしました(笑).
本記事を読み終えると,論文やプレゼンに使用できる*良いグラフが描けるようになりますよ!
*論文には投稿規定があり,その中で図やグラフの描き方を指定している場合があります.そのような指定がある場合は,本記事の内容ではなく投稿規定に従ってくださいね!
サマリー・グラフの縦軸(横軸)のラベルは,しっかり書きましょう.
・グラフのグリッド線は,書かないのが基本です.
・グラフのタイトルは,キャプションに書きましょう.
グラフの良い例と悪い例
最初に,グラフの良い例と悪い例をお示しします.

先ずは,Excelのデフォルトグラフをそのまま使った悪いグラフの例です.

次に,Excelのデフォルトグラフをアレンジした良いグラフの例です.
良いグラフの描き方
それでは,良いグラフの描き方をまとめます.
私が考える「良いグラフ」の条件は,以下の通りです.
① 縦軸を書く ② 縦軸の目盛を書く ③ 縦軸のラベルを書く ④ 横軸を書く ⑤ 横軸の目盛を書く ⑥ 横軸のラベルを書く ⑦ グリッド線(縦・横)を消す ⑧ タイトルはキャプションに書く ⑨ レジェンドは枠線で囲む ⑩ 文字サイズを整える ⑪ フォントを整える
縦軸について
先ず縦軸を追加しましょう!
なぜ,Excelのデフォルトでは縦軸が無いのか不明です.

しかし,デフォルトでは無いからという理由でそのままにするのはダメです.
次に,縦軸の目盛を書きましょう!
特別な事情が無い限り外向きに配置します.
そして,最後に縦軸が何を示しているのかを書きましょう!

縦軸は何を示しているのか?
それを説明することなく,見ただけで分かるように描くのが良いグラフです!
単位の記載や範囲の調節も忘れずに!
横軸について
先ず横軸を濃くしましょう!
なぜ,Excelのデフォルトでは横軸が薄いのか不明です.

でも,デフォルトでは薄いからという理由でそのままにするのはダメですよ.
次に,横軸の目盛を書きましょう!
こちらも特別な事情が無い限り外向きに配置します.
そして,最後に横軸が何を示しているのかを書きましょう!
デフォルトのように書いてラベルを省略する人もいます.

同じ単語(図では”Day”)を繰り返すのは,余計な情報量を増やすだけですので,私はオススメしません.
グリッド線(縦・横)を消す
これはグラフを初めて描く人に多いミスです.
グリッド線があった方が図が見やすいと考えるからだと思いますが,論文やプレゼンで使うグラフではグリッド線を使用しません.

理由は,グリッド線がミスリードを与える可能性があるからです.
特に,今回のような折れ線グラフでは,横のグリッド線が折れ線と重なり見にくくなります.
それが原因でグラフの読み取りを誤る可能性を排除したいのです.
ちなみに,「特別な事情なある場合はグリッド線を書く」と聞いたこともあります.

しかし,私はその「特別な事情」をまだ知りません(笑).
タイトルはキャプションに書く
図の番号・タイトル・説明は,図の下のキャプション欄に書くのが普通です.
一方,表の場合は逆で,表の番号・タイトルは表の上に付けます.
これは,JIS規格*で決まっているので日本国内で標準化されたお作法です.
また,海外の場合でも,それが標準とされています.
*JISX4051「日本語文書の組版方法」
レジェンドは枠線で囲む
グラフのレジェンドは枠線で囲みましょう.
今回のようにレジェンドがグラフの外に配置されている場合は,まだ許容範囲です.
しかし,グラフの内側にレジェンドが配置されている場合は,レジェンドとグラフその物が混同する可能性があるので,必ず枠線で囲ってください.
また,今回のように平均値の標準誤差(SEM)を表記する場合は,サンプルサイズ(n数)も書きましょう!

理由は,SEMがサンプルサイズに依存するからです.
白黒印刷を意識したレジェンド
今回はカラーで例を示していますが,実際に論文を読む段階を想像してグラフを作成するのも大切です.
近年は,電子ファイルのまま読む人が多くなった気がしますが,それでも印刷して読む人はまだまだいるでしょう.

職場や研究室によっては,節約のためにカラー印刷を禁止していることもあります.
だから,そのグラフが白黒印刷されても読み取れるようにシンボルや色を調節するのも大切ですね.
文字サイズを整える
縦軸・横軸の文字サイズは,統一しましょう!
サイズは,出来れば14 ptが良いと思いますが,最低でも12 ptにしてください!
なお,レジェンドやキャプションの文字サイズは,グラフ中の文字サイズよりも1段階小さくすることが推奨されています.

ただ,本記事では,それを適用するのは忘れました(笑).
ごめんなさい.
フォントを整える
ExcelのデフォルトフォントがCalibriです.
その理由は分かりませんが,グラフとの相性は良くないと思うので,私は使いません.
グラフで使用するフォントは,日本語の場合はゴシック体を,英数字の場合はサンセリフ体を使うようにしましょう.

ちなみに私は,游ゴシックとArial (Arial narrow)が好きです.
もちろん,特別な事情がある場合は別ですよ!
例えば,塩基配列のアライメントの比較図で等幅フォントを使いたい時などです.
グラフをテンプレートとして保存しておくと便利
良いのグラフを描き方をまとめてきましたが,正直,グラフの度にこれらを調整するのは面倒ですよね!

そこで私のオススメは,「グラフをテンプレートとして保存しておく」です.
残念ながら,Excelグラフのデフォルトフォントはを変更することは出来ません.
しかし,フォントの種類や色を変更したグラフをユーザー設定のテンプレートとして保存してことは可能なんです!

グラフ上で右クリックすると以下のような画面がでるよ.
ここで「グラフをテンプレートとして保存(S)」をクリックします.
すると,次に以下のような保存画面が表示されます.
グラフ テンプレートの名前を入力して「保存」をクリックしてください.
今回は「折れ線グラフテンプレート」としました.
これで設定は完了です!
次回以降,グラフを作成するときはテンプレートを参照すればOKです!
これで毎回フォントの種類や色を調整する手間が省けますよ!

以上,「Excelで良いグラフの書き方」でした.
最後までお付き合いいただきありがとうございました.
次回もよろしくお願いいたします.
2020年8月23日 フール