こんにちは.
私は,博士課程を修了して博士号を取得後,研究職の派遣を主な事業としている派遣会社に登録しました.
現在は,有期雇用型の派遣社員として,某製造業の企業にて基礎研究に従事しています.
不定期ではありますが,研究職の派遣社員の実態について情報を発信することにしました.
あくまでも私の経験に基づいた内容です.
派遣元や派遣先の環境に依存することも多いと思います.
だから,普遍的な事実は少ないかもしれません.
それでも,これが博士課程に在籍する大学院生や自分のキャリアに迷っている研究職従事者の参考になれば幸いです.
本記事では,研究職の派遣社員の雇用形態・給与・福利厚生などをご紹介します.
なお,私が派遣社員として働くようになった背景に関しては,プロフィールに詳しく書いております.
派遣社員の雇用形態
派遣社員には,登録型派遣(有期雇用型派遣)と常用型派遣(無期雇用派遣)があります.
私は前者の登録型派遣社員です.
派遣会社と常時雇用契約を結んでいる後者の方が,経済的に安定はしています.
なぜなら,現在の派遣先の就業期間が終了した後も派遣元で就業可能であり,賃金が支払われるからです.
でも,次の就業先が決まるまでの間,派遣元での就業内容は選べないというシステムでした.
もちろん,経済的に安定した生活は大切だとは思います.
でも私は,やりがいや面白みが無い仕事・学んだことを活かせない仕事は嫌でした.
懐が安定しても,心が安定しないと思ったのです.
だから,登録型派遣を選びました.
雇用・経済の安定よりも心の安定を重視したい
私の場合,契約は3か月更新なので年4回の交渉があります.
ご想像の通り,雇用形態は非常に不安定です.
それでも,やりがい・面白みを感じています.
また,学んだことを人生に還元しているという実感もあります.
気にしていないと言えば嘘になりますが,雇用・経済の安定のために正社員を目指そうとは思いません.
自分の価値や需要を認識できる
「もう必要ない」または「代わりがいくらでもいる」というのが派遣社員の扱われ方です.
だから,派遣先から「もう必要ない」とか「君の代わりがいくらでもいる」と思われたら,すぐに契約は解消されます(笑).
これはネガティブな側面と思われがちですが,私はそう思ってません.
逆に考えれば,「契約が更新される=自分の知識・技術は必要とされている」と考えることができるからです.
常に自分の価値や需要を認識できることは利点の1つではないでしょうか?.
派遣社員の給与
厚生労働省が発表した「平成29年度 労働者派遣事業報告書の集計結果」によると,派遣労働者の賃金(8時間換算の平均)は1万3,831円です.
1か月の労働日数を20日とすると,月収は27万6,620円(年収に換算すると331万9,440円)です.
修士卒および博士卒の初任給よりは高め
派遣労働者の賃金を修士卒および博士卒の初任給と比較してみました.
初任給 | 情報源 | |
修士卒 | 23万9,000円 | 厚生労働省 平成30年賃金構造基本統計調査 |
博士卒 | 24万3,289円 | 一般社団法人 労務行政研究所 2017年度 新入社員の初任給調査 |
あくまでも平均値の比較ですが,派遣社員の月収は修士卒や博士卒の初任給よりも多いことが分かります.
私の給与
私の毎月の給与は,派遣労働者賃金の平均よりちょっと少なめです(笑).
残念ながら,ボーナス(賞与)はありません.
年収が少なくなるのは仕方ないですね.
それでも30代独身男性の生計を支えるには十分です.
派遣社員の福利厚生面
登録している派遣会社による違いがあると思います.
ただ,2016年の法改正(改正年金機能強化法)によって社会保険の適用基準が拡大されたので,法定福利に関しては,かなり改善されていると思います.
私は,社会保険(健康保険,厚生年金保険)だけでなく,労災保険と雇用保険にも加入しています.
私が登録している派遣会社は,これら以外にも福利厚生が充実しています.
例えば,有給休暇制度,優待価格で旅行,慶弔見舞金制度などがあります.
社会的信用について
私のような登録型派遣労働者は,失業のリスクが高いので社会的信用が低いです.
ただ,私は「普通の暮らし」に興味がありません(フールのプロフィールを参照).
そして,ローンを組んでまで欲しい物も特にありません.
よって,社会的信用は無くても良いかなと考えています.
以上,研究職派遣の雇用形態・給与・福利厚生でした.
最後までお付き合いいただきありがとうました.
2020年7月13日 フール