こんにちは.
博士号を取得後,派遣社員として基礎研究に従事しているフールです.
私は,博士課程を修了して博士号を取得後,研究職派遣を主な事業としている派遣会社に登録しました.
現在は,有期雇用型の派遣社員として,某製造業の企業にて基礎研究に従事しています.
博士号まで取得したのに,どうして派遣社員なの?
派遣社員型研究職ってどんな感じなの?
「博士号を持った派遣社員」と聞くと,上記のような疑問をお持ちになる方も多いのではないでしょうか?
研究職の派遣は,30年近く前から存在しました.
しかし,その認知度はまだまだ低いと感じています.
そこで,研究職の派遣社員について情報を発信しようと思いました.
ただ,派遣元や派遣先の環境に依存することも多いと思います.
よって,本記事の内容は,あくまでも私の経験に基づいた内容です.
だから,普遍的な事実は少ないかもしれません.
それでも,これが博士課程に在籍する大学院生や自分のキャリアに迷っている研究職従事者の参考にしていただければ幸いです.
本記事では,私が派遣社員として働く「理由」をご紹介します.
なお,私が派遣社員として働くようになった背景に関しては,プロフィールに詳しく書いております.
職務内容が明確
派遣社員として働くことが決まると,派遣元は「就業条件明示書」という書類を発行します.
これは法律(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律,以下,労働者派遣法)で定められた派遣元の義務です.
そして,この書類には業務内容も記載がされています.
別の法律(労働基準法)で,就業条件明示書と実際の労働条件に相違があれば,派遣元と結んだ雇用契約を解除することができると定めているので,就業条件明示書の業務内容には法的拘束力があります.
建前かもしれませんが(笑).
職務内容が明確なので,派遣スタッフは,請け負った職務に集中できます.
私の場合は,分子生物学実験・生化学実験・小動物実験とそれらに付随する業務で,これ以外の職務は発生しません.
発生しても断ることができます!
評価も職務内容に沿って行われる
そして,私の評価も職務内容に即して行われます.
人物や人柄に依存しないことも魅力的です*.
*ただ,評価する側も人間です.多少は人物や人柄も評価に組み込んでいるとは思います.しかし,その内容が評価欄に記載されることはありません.
実験以外の仕事が無い
派遣先や職務にもよりますが,私は,派遣先の意思決定に関わることがありません.
だから,その決定を行う会議等にも参加する必要がありません.
その時間を実験やデータ解析に充てることができます.
実験データに関する報告やディスカッションは,指揮命令者とだけ行います.
出張やセミナーも無い
出張やセミナーも無いので,報告書や課題の提出などもありません.
正社員の方は,営業や経営や組織風土づくりに必要なセミナーに行っています(行かされている?).
将来的に,経営やマネジメント業務などにも就く意思があれば嬉しいかもしれませんが,私にはそのような意思も希望もありません.
きっとパワハラするだけなので(笑).
正社員のように「これも仕事だから」と自分を説得しながら渋々出張やセミナーに行く必要性を感じないので,派遣社員で良かったと感じています.
経費で学会に行けないのは辛い
出張に行けないので,当然,経費で学会に参加することもできません.
でも,有給休暇はあるので,興味・関心のある学会に参加したい時は有給を使っています.
もちろん,学会の参加費や旅費は自費です.
お金だけを考えれば,出張の方が良いでしょう.
ただし,会社の出張では「興味があるから」という理由だけで旅費申請はできません.
「面白かった」,「勉強になった」という報告書も受理されません.
それなりの「建前」を用意する必要があります.
本音と建前の使い分けができない私には,それが難しいのです(笑).
働いた時間で給料が決まる時給制
労働者派遣法の下,労働時間は,派遣元の就業規則に基づいて管理されています.
そして,派遣労働者の労働時間等を実際に管理するのは派遣先なので,不必要な残業はありません.
ちなみに,実験が長引いてしまった場合は,私から積極的に残業を申し出ます.
その場合は快諾されることが多いです.
だから,好きな仕事で,好きなだけ働いて給料がもらえるんです.
最高ですね!でも,時給は安いですよ(笑).
また,収入の上限も見えています!
「Doctor X」や「派遣の品格」のようなスーパー派遣は,さすがにテレビだけの話ですね(笑).
以上,私が派遣社員として働く理由について書きました.
次回はもう少し踏み込んで,雇用形態・給与・福利厚生などについて触れたいと考えています.
最後までお付き合いいただきありがとうございました.
次回もよろしくお願いいたします!
2020年7月12日 フール