博士号取得者に求められる能力【足の裏の米粒と言われないために】

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こんにちは.

博士号を取得後,派遣社員として基礎研究に従事しているフールです.

日本では,博士号は「足の裏の米粒」と言われています.

どういう意味ですか?

先ず,ご飯を過って踏んだことを想像してみてください.

取らないと気持ち悪いよ~

そうですね!

それでは,そのご飯を取り除いてください!

取ったよ!

それを食べてください!

えーっ!

食べたくないよ~

だよね!

ご飯としてはもう使えません!

博士号もコレと同じ発想です!

様々な事情から大学院修士課程まで進学した人にとって,博士号は「取らないと気持ち悪い」存在なのです.

一方,頑張って博士号を取得したところで,企業を始めとして日本社会の大部分が高卒・学士卒・修士卒・博士卒の差別化をすることができないので,博士号の活かし方が分からないのです.

だから,博士号は「足の裏の米粒」なんですね(笑).

ただ,私は誤って踏んだ米粒を使ったことがありますよ!

何に!?

まさか食べた?

さすがに食べないよ(笑).

何に使ったか気になる方は最後までお読みください!

さて,今回は,そんな「足の裏の米粒」である博士号についてです.

生命科学系の博士後取得者に求められる能力についてを考えてみました.

もし私が採用側の人間だったらという視点でまとめました!

ただ,あくまでも私の考えです.

企業の採用担当者に確認したことはありませんので,採用側の実際については分かりません.

その点はご了承ください.

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博士号取得者に求められる能力

博士号取得者に求められる能力は,以下の3つであると考えます.

・(独力で)課題を見つけ出す能力
・(独力で)課題に対する方策を立案する能力
・(独力で)方策を実施するために必要な計画を立て,実行する能力

1つずつ説明していきますので,お時間の許す限りお付き合いください.

(独力で)課題を見つけ出す能力

課題を見つけだす能力は非常に重要だと思います.

研究職の場合は,以下のような「課題」があります.

・なぜ,その研究が必要なのか?
・なぜ,その実験が必要なのか?
・実験データから分かる(または分からない)ことは何か?
・なぜ,実験がうまくいかないのか?

日常的にこれらを考えることを習慣化し,何が課題なのかを独力で見つけ出す能力があると(各大学に)認められたから,(各大学は)博士号を授与したのだと思っています.

(独力で)課題に対する方策を立案する能力

課題を見つけるだけでは不十分です.

その次は,その課題に対する方策を見つけ出す能力でしょう.

その課題をどのようにすれば解決できるのか?

研究職の場合,実験デザインを考えることがコレに該当すると思います.

その能力があると(各大学に)認められたから,(各大学は)博士号を授与したのだと思っています.

(独力で)計画を立て,実行する能力

課題を見つけて,方策を考えても,実行しなければ意味がありません

・実施するにあたり何が必要なのか?
・期間はどのくらいかかるのか?
・うまくいかなかった場合(または失敗した場合)の対処は?

研究職の場合,申請書を書く・必要な器具や材料をそろえる・タイムスケジュールを組むなどが該当します.

これらを考慮した計画を立て,実行に移す能力があると(各大学に)認められたから,(各大学は)博士号を授与したのだと思っています.

やっぱり博士は違うよね!

以上が私の考えた「博士号取得者に必要とされる能力」です.

理想論ですね(笑).

書きながら,そう感じました(笑).

でも,これらの能力が養われていれば,「やっぱり博士は違うよね!」となると思います.

私は,派遣社員ですが,派遣先ではそのように評価されています.

「フールさんなら,安心して仕事を任せられるから」と.

同世代の正社員たちと比較した相対評価かもしれませんけど(笑).

「やっぱり博士は違うよね」とならない理由

多くの博士号取得者たちが,「やっぱり博士は違う」と評価されないのは何故でしょうか?

私は,2つの理由があると思います.

① 本当に能力が無い
② 評価する側の問題

本当に能力が無い

さきほど「理想論ですね」と書きました.

著者自ら「理想論」と認める理由がココにあります.

どの時代のどの学校にも,要領と愛嬌だけで物事を器用にこなす人はいるものです(笑).

これまで書いてきた能力を培うことなく,博士課程を修了し,博士号を取る人(取れちゃう人)がいるんです.

「能力があると(各大学に)認められたから,(各大学は)博士号を授与した」と書いているので,矛盾するのですが…

評価する側の問題

博士号を持っている→優秀→何でも器用にこなす

博士人材のことをこのように考える人がいます.

私の印象では,人事や管理職にそのような人が多い気がします.

正確には「博士号を持っている→本業では優秀」だと思います.

よって,本業とは関係ない業務(例:マネジメント業務など)は,未経験者と同じなので,期待された成果が得られないこともあります.

「博士号を持っている→優秀→何でも器用にこなす」と考える人がいる限り,このミスマッチはなくならないでしょう.

よくよく考えると評価する側も,ある意味本業ではないのです.

なぜなら,博士課程を経験していない者博士人材を評価するわけですから.

経験していないから,博士の質でスクリーニングできません

プロトコールシートやチェック項目が存在すれば,未経験者でも可能かもしれませんが,そのようなキットは存在しません.

だから,博士の質で評価することができません.

故に,学士・修士と同じ土俵で評価せざるを得ないのでしょう

博士号取得者の評価の実際が分からない/評価の方法論が確立されていない

博士号を授与されたという保証(各大学のお墨付き)だけを頼りにしている

これが現状かもしれませんね.

その保証が機能していないということは考慮していないようですが(笑).

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人柄と専門性

私は,博士人材の人柄専門性は,あまり重要だと思っていません.

人柄は,評価する人によってまちまちです.

測定者間再現性が無いと考えています(笑).

それに博士課程まで進むくらいですから,専門があるのは当たり前ですよね.

発想の転換

冒頭で「誤って踏んだ米粒を糊の代わりに使ったことがあります」と書きました!

封筒の封をするために糊を探している過程で,ご飯を踏みました…

「気持ち悪い」と思いながらも「コレで封をしよう」と思いました!

ご飯としては役に立たないけど,糊としては役に立ったんです(笑).

同じ視点で,博士号は「足の裏の米粒」かもしれないけど,発想を変えれば必要とされるのでは?

飛躍しすぎでしょうか?

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以上,私が考える「博士号取得者に必要な能力」でした.

ちゃんとトレーニングを積んだ博士号取得者が,「建前」ではなく「本気」で必要とされる社会になって欲しいですね!

最後までお付き合いいただきありがとうございました.

次回もよろしくお願いいたします.

2020年7月17日 フール

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